神秘の鏡池はこの地の命の源だった、でもそれ以上にこの地には…
水と風の龍神様がたびたび休息地として訪れるこの地には、かつて流れが速い冷たい川の水しかなく、作物が育たない場所でした。
土地はやせ細り作物が育たないので、人々は元気がなくどんどんやせ細っていくばかり。
空の上から龍神様も心配そうに見つめています。
「このままではこの地で生きられなくなってしまう。なんとかせねばならん」
「しかし川の水をそのまま引き込むと冷たすぎて苗がびっくりして枯れてしまう」
「温めればいいのか」
「でもどうやって」
「池を造って水をためるようにしたらどうじゃ」
「・・・」
「水をためる・・・?」
と地域の人々がきっとこんな論議を重ね、ついに昭和8年に力を合わせて完成させたのが、この奥蓼科で一躍有名になった鏡のように美しい御射鹿池(みしゃかいけ)。
かつて諏訪の龍神様は子の泉小太郎と協力して松本と安曇野の地を切り開いたとされ、きっと同じように奥蓼科も切り開く必要があると、当時を思い出したことでしょう。
周りの木々が湖面にはっきり映し出され、はっと息をのむほどあまりにも美しいので、実は農業用のため池として作られたことを話すと驚かれるのですが、この地域の命を育てるのに欠かせない存在で、ため池百選に選ばれています。
御射鹿池ができたことで、標高が高く冷涼なこの地にも、太陽の恵みで温められた水が田畑に入り、美味しいお米や作物が育つようになりました。
龍神様のご加護もあってか、台風が来ても水害や土砂崩れに見舞われることもなく、毎年秋の田んぼは黄金色の稲穂が風に揺られています。
標高1500メートルに位置し、湯みち街道の1本道をひたすら登ってたどり着く御射鹿池がなぜこれほどまでに注目されるようになったのでしょう。
もちろん、東山魁夷画伯の「緑響く」のモチーフになったり、吉永小百合さん出演のAQUOSのCMで撮影されたのも大きいのですが、それにしても、放映からもう何年も経つのに撮影に何度も訪れる方や、「一度は生で見てみたかった」という方など、静かに誰かしらが訪れ、その美しさに感動する場所になっています。
そもそも、なぜいつ行っても御射鹿池はあんなに美しいのでしょう。
理由は、明治温泉のすぐ横にあるおしどり隠しの滝を流れる渋川の水が御射鹿池に流れ込んでいるのですが、川の水質が珍しい強酸性だからなんです。
「え?どういうこと?」
という方のためにもう少し詳しくお話しますと、水質が強酸性なので微生物や魚など一切の生き物が生息できないのです。
だから水が汚れることがほとんどないのです(大雨の後など濁流が流れ込んだ時は別です)。
しかしその水質だからこそ生息できるのが、希少なチャツボミゴケ。
何億年もかけて、鉄鉱石に変わっていくと言われる不思議なコケが、あの幻想的な深緑色を生み出しています。
一般的に、水質が強酸性で生物が生息できない川は「死の川」と呼ばれ、鉄も溶かしてしまうようでどちらかというと害が大きいようなことを言われています。
群馬県の草津温泉の川が有名なようですね。
奥蓼科の渋川と同じように、強酸性の水質で生息するチャツボミゴケ公園があるくらいなので、きっと環境は似ているのでしょう。
でもpHの違いなのか、草津のように石灰をまいて中和させることなく御射鹿池の水は作物を育てる命の水として重宝されています。なんだか不思議ですね。
一目見てその美しさに引き込まれる御射鹿池ですが、名前の漢字を見るとなんだかちょっと物騒なイメージを受けてしまいます。
名前の由来は、諏訪大社の神様へ捧げるため、諏訪大明神が鹿狩りをしていた神聖な場所だからというのが有力な説のようです。
近くの笹原地区の中には鹿狩神社という名前の神社があるくらいです。
実は現代でも、特に夜の湯みち街道では野生の鹿によく出会えます(道路に普通にいるのでスピードを出しすぎないよう十分ご注意ください)。
思わず「あ、バンビちゃん!」と声に出してしまうくらいかわいらしい姿なのですが、鹿は角で神様の意思をキャッチする神の使いと言われる神聖な生き物です。
この地の歴史の中で重要な役割を果たしてきた鹿。
その昔、人間が言葉を持たなかった縄文時代では、人間も鹿と同じように神様や大自然の声をキャッチし、インスピレーションで会話できたとか。
茅野市の中には縄文時代の尖石遺跡が残っていたり、奥蓼科は当時の自然がそのまま現存している聖地ともいえる場所なので、五感が閉じ切っていない人が龍神様を感じたり、大地のエネルギーを感じたり、「状態の変化」を起こしています。
特に日常の喧騒に疲れを感じている人が明治温泉でご宿泊されていくと、なぜかはっきり理由はわからないけど、癒し以上の変化を起こして帰路に就かれます。
10月中旬頃までになるかと思いますが、ガイドをつけてこの周辺の自然と、「明らかに治る」明治温泉の温泉をどっぷり味わっていただくのがおすすめです。
神秘の鏡池の御射鹿池やおしどり隠しの滝など、ネット検索ですぐに出てくる「だれもが訪れることができる」人気スポットも命を育むパワースポットとしての魅力はもちろんですが、現地でしか、もしくはこのメルマガでしか知り得ない秘密のスポットが多数存在しているのが奥蓼科。
とにかく自分を整えたい方は平日の連泊がおススメ。
(来年夏以降リリース予定の秘境は安全整備に入っていきます)
ご予約、お問い合わせはお早めにどうぞ。
山の宿 明治温泉 | プラン一覧画面 (489pro.com)
スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ちしております。