高級志向だった僕が山に囲まれた秘湯宿に泊まって価値観崩壊
「課長、なんか最近いつも嬉しそうですね」
「え?…あ、そう?」
「はい。なんかいいことあったんですか?活き活きしてる感じで笑顔が増えましたよね」
会社の女性社員に話しかけられ、びっくりしたけどまんざらでもなかった。
そもそも、いままで業務のこと以外で女性社員から話しかけられることなんてまったくなかった僕からすると、こんな何気ない会話があること自体が奇跡に近い。
それまでの僕は話しかけられないことに何の違和感も感じてこなかった。
でも、同じ仕事をする職場の仲間なのに話しかけられることがなかったのはやはり普通ではない。
「話したい」と思われなかったということを実感したときは、さすがにショックだった。
今の僕は他の人から見てもはっきり違いがわかるくらい変わることができたらしい。
きっかけは、孫から
「じいじの顔、ちっちゃなアリの巣がいっぱいあるみたいで気持ち悪い」
と、面と向かってはっきり言われたことだった。
僕はそれまで、もう年齢が58歳ということもあり、見た目をまったく気にしてこなかった。
唯一、「身につけるものはだけはきちんとして」という妻のポリシーのおかげで、服装の清潔感は保てていたと思う。
でも、例えば髪型や、まして肌のことなんてこれっぽっちも気にしたことはなかった。
だから孫からの強烈な一言で、初めて自分の肌のことが気になるようになった。
そんな僕の姿を見た妻から、
「肌は生活習慣そのものが出るから、ちょっと改善するだけで全然違うのよ~」
と言われ勧められたのが、とある温泉だった。
しかし、その温泉。いくら肌のためとはいえ正直最初はあまり乗り気ではなかった。
妻から勧められたその温泉宿は、山奥でひっそりと営業しているような、きっと物好きな人が行くんだろうという印象を受けたから。
というのも僕は出張でもプライベートでも
「どうせ行くならいい部屋に泊まりたい」
と、そこそこの値段のところばかりを選んできた。
しかも山に囲まれたような場所へは行く機会がなかったし、興味もなかった。
そんな僕にとっては、まさに「価値観が合わない」宿だったのである。
ただ、そんな僕の価値観をよく知っている妻がそこまで強く勧めるんだから、よっぽど何かあるんだろうという期待感もあった。
僕の悪い癖のひとつに「食わず嫌い」がある。
実際に体験したわけじゃないのに先入観で決めつけて、その結果損をしている。
高級ホテルや旅館の人工的な美しさももちろんいいのだが、それを選び続けてきた結果が今の僕の姿だ。
これは行くしかないだろう。
だから僕は、今回は思い切ってその温泉宿に行くことを決めた。
そしてその結果、見事に僕の凝り固まった58年間の価値観を思いっきり崩壊させることになる。
まず僕は自然の力をとんでもなく甘く見ていた。
都心から離れてトンネルをいくつも通り、いつの間にか圧倒されるほどのそびえたつ山々に囲まれたその景色を目にしただけで、心がスーッと落ち着いていくのを感じた。
余計なことを考えなくていいというか、普段、日常の喧騒で頭の中がいかにごちゃごちゃしているのかがわかった。
頭の中のノイズがきれいに消えていく、そんな感覚。
運転中でさえそんな変化を感じていたので、僕の期待感はますます高まっていった。
宿に行く前に、せっかくなので自然の中を散策した。
苔をあんなに間近に、生で見たのは初めてだった。
アスファルトではない地面を踏むのは何年ぶりだろう。
都会とは明らかに違う、澄んだ風。水や緑が放つマイナスイオンとか。
空気が美味しいとはこのことを言うのか。
体力には自信があったのに、川辺の岩の上などでは足がもつれて転びそうになる。
それすらも新鮮で面白かった。
ひとりでボケてひとりでツッコミを入れる。子供みたいに変にテンションが上がる。
そしていよいよ目的地の「とある宿」へ。
歴史ある建物だとわかってはいたが、改めて外観を目の前にするとさすがにちょっと躊躇した。
しかし、玄関へ一歩踏み入れると…
「ん…悪くない。いや、むしろ…、なんだこの落ち着く感じ。初めて来たはずなのにすごく懐かしい感じがする」
都会派高級志向の僕の価値観はこの時点で完全に壊れていた。
僕は58年間、実はすごく狭い世界で生きてきたんじゃないのか…
そう思わずにはいられなかった。
冷たい源泉が存在することすら知らなかったし、温冷交互浴は病みつきになって一晩のうちに何回も入った。
素朴な野菜中心の食事でこんなに美味しいと感じたことも初めてだった。
素材の味をしっかり感じることができる。
野菜は本来こんなにしっかり味があるものなのか。
あまり自覚はなかったが
「そんなにおしょうゆかけるんですか?」
とびっくりされることがよくあるくらい僕は濃い味付けが好みだ。
野菜は味気ないと決めつけて、いつも食べる前から調味料を足してしまっていたことを反省した。
この日はあえて出されたまま食べてみて本当に良かった。
スタッフがすすめてくれた日本酒と食事が本当に美味しく、満足した。
静かで落ち着く和室。聞こえてくるのはすぐ横にある滝の水の音。
本当にぐっすり眠れ、朝スッキリ起きられたことに感動した。
早朝の温泉も、朝のひんやりした空気の中の散歩も、そして美味しい朝ごはんも。
すべてを堪能し、たった一晩なのに気づいたら体がスッキリしてかなり軽い。
こんな体感してしまったら、もう定期的に来るしかない。
同時に僕は自分のメンテナンスにひなびた秘湯の温泉ばかりを巡るようになっていた。
こんな僕の姿に妻が驚いていた。
「まさか、あなたがそんなに山奥の秘湯にはまるとはね~」
そう言われている僕自身も驚いている。
自分自身の変化が嬉しくて仕方ない、そんな感じに。
でもまさか、会社の女性社員からも話しかけられるようになるとはまったく思っていなかった。
今では僕の変化が噂になり、社内で温泉巡りが密かなブームになっている。
孫の強烈な一言と妻のススメで、僕は「食わず嫌い」の悪い癖も一緒に治ってしまった。
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改めまして、こんにちは。
「とある温泉宿」、長野県茅野市奥蓼科温泉郷の山の宿明治温泉です。
ご主人が体感したことは、一言でいうと
「自然を超体感した身体のリセット」
です。
日常:運動不足→大自然の澄んだ空気の中を大きく深呼吸しながら散策
日常:濃い味付けの肉食中心で野菜不足の食生活→野菜中心のバランスのとれた食事
日常:ほとんどシャワーで済ます→温泉にゆっくり浸かり、24℃の源泉との温冷交互浴
大きくまとめるとたった3つのことですが、置かれた環境に適応していくのが人が本来持っている力のすごいところ。
人は大自然のエネルギーを体中で感じると、そのエネルギーに適応させていこうと、細胞がどんどん活性化していくのです。
これを体感・実感したら価値観壊れてやみつきになるわけです。
言葉よりまずは体感を。プランはこちらから。残室わずかです。
山の宿 明治温泉 | プラン一覧画面 (489pro.com)
スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ちしております。